
オープンAPIとは?仕組みや活用法について解説

オープンAPIとは、複数のアプリケーションを連携させるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)という仕組みを他の企業に公開することを指します。
近年特に銀行とFintech企業との連携について注目されています。この記事では、オープンAPIの仕組みと活用方法について解説します。
オープンAPIとは
APIとは、【アプリケーション・プログラミング・インターフェース】の略で、機能や管理するデータを他のアプリケーションから呼び出して利用する為の接続仕様・しくみであり、それを公開することを【オープンAPI】といいます。銀行では、「銀行がFintech企業等にAPIを提供し、顧客の同意に基づいて、銀行システムへのアクセスを許諾すること」(金融庁 金融審議会 金融制度ワーキング・グループ報告 脚注8)を指し、オープンAPIの活用が個別に始まっています。銀行システムには口座情報や入出金の明細照会、振り込みの指示など多くの機能があります。これらの機能を金融機関以外の事業者と連携することにより、利便性の高い、革新的な金融サービスの提供が期待されます。例えば、銀行の口座振替データをアプリに連携させることで、手動入力によって手間が省けて利便性があがり、快適な使い方が実現できます。こういったデータの連携を行う機能として、銀行オープンAPIが注目されつつあるのです。
APIを利用する側では、所定の仕様に従って設定することで、その機能やデータへのアクセスが可能となります。このように、セキュリティなど一定の要件を満たすことで、外部企業でも公平に利用を認めるものをオープンAPIといいます。オープンAPIの活用は個別に始まっており、システムでの口座情報や入出金の明細照会、振込など、多くの機能があります。これらの機能を金融機関以外の事業者と連携をとることで、利便性向上や革新的な金融サービスが見込まれているのです。
仕組みとしては、自身が取引銀行と事業者間のデータ連携について許可を行う安全で正確なデータ連携が可能なしくみです。クレジットカード業界においても、オープンAPIに関しての議論が進められ、オープンAPIによる連携の取り組みは銀行業界に限らず拡大しています。
オープンAPIの活用
金融分野以外でも、API活用が活性化しています。1つ目は、交通インフラでは、次世代モビリティ・システムの構築があります。
これはさまざまな交通サービスをデータでつなぎ、新たな付加価値を生み出す「モビリティサービス(MaaS:Mobility as a Service)等を促進するものです。ある運輸事業者では、荷物の発送や受け取りを便利にするさまざまなサービスや機能と連携できるAPIを広く公開しています。
2つ目は、ヘルスケア分野では、個人に最適な健康・医療・介護サービスを提供するPHR(Personal Health Record)構築があります。これは、API公開等により、本人の許諾を受けた民間サービス事業がデータを活用できるようにするものです。
3つ目は、電子行政の関係閣僚で構成する「eガハメント閣僚会議」では、法整備とともに民間サービスの利用やAPI連携により、リソースを他サービスでも共有できるものにすることを提言しています。
オープンAPIのこれから
オープンAPIと聞くと、様々なところでデータが使われており、安全に問題が生じるのではないか、と心配する方もいると思います。しかしながら、実際にはかえってデータの安定性は向上します。大前提として、個人のデータは本人の同意がある範囲でのみ利用されるようになります。オープンAPIが普及すると、個人はデータの主導権を持ち自分のデータを自分で守れるようになるため、プライバシーの観点からメリットもあります。オープンAPIで重要なのは、取り組むメリットがAPI公開とAPI利用側のそれぞれにあるということです。
公開側のメリットとしては、収益やシェアの拡大です。他の事業者に対しても必要な情報だけを安全に連携できるため、自社のデータやサービスを流通させるチャネルを増やすことになります。
利用者側でのメリットとしては、自社の顧客に向けた迅速な価値の提供や、統合による価値の創造が可能になることです。優れたAPIを利用すれば、高度なサービスやアプリケーションを顧客に対して迅速に提供出来るようになるのです。
デメリットとしては、急遽提供が停止される可能性があることです。APIを公開している提供元が仕様変更や提供を停止すると、そもそもの連携自体が取れなくなってしまう場合があります。他にも、利用停止でなくてもサーバーで障害が発生したりすると連携が失敗する場合があります。
ただし、APIを作る際、開発側がきちんとセキュリティを作りさえすれば、セキュリティ的な問題は生じにくくなります。従来のアナログでマニュアルな個人データの取り扱い方によって、セキュリティ上の問題は生じやすかったと言えるのです。
たとえば、はがきに個人情報を記入して、個人情報の記載部分にシールで覆い郵送する方法は、データを他人に覗かれる可能性もあるゆえに、覗かれたことにも気づきません。
APIなら、このようなデータのやり取りも、第三者に知られる心配なくセキュリティを行えるようになります。銀行などを含めると、500以上の金融機関のAPIネットワークを活用して、さらに便利なサービスを作り出し、提供していくという使命があります。
オープンAPIは、金融分野をきっかけに注目され、拡大してきました。代表的な例としては、FinTechです。APIの公開で、新しい金融サービスを提供するITベンチャー企業と、既存の金融企業を結ぶことによって、より活発化していきます。現在政府が掲げる成長戦略「未来投資戦略2018」においても、FinTech/キャッシュレス社会の実現に向けて、APIの解放と整備を進めています。政府の目標では、2020年6月までにオープンAPIを80行以上で導入することを見込んでおり、2018年3月時点で、全邦銀139行中130行がオープンAPIの導入を表明しています。また、経済産業省では「クレジットカードデータ利用にかかるAPI連携に関する検討会」を開催しており、APIの活用を積極的に後押ししているのです。
まとめ
現状では、オープンAPIについて、理解している利用者はどれほどいるのでしょうか。その国民(利用者)への分かりやすい・理解のしやすいしくみを提供しなければ、全国的な普及は厳しいと考えられます。この記事が、APIの周知に寄与すれば幸いです。