リーガルチェックっていくらかかる?依頼の費用相場・費用を抑えるポイントを解説

目次

企業が新規で契約書を締結する際、法律上の問題はないか確認することをリーガルチェックや法務確認と言います。リーガルチェックはトラブルを防ぐために欠かせない業務ですが、具体的な費用感が気になるところです。本記事では費用相場と費用を抑えるポイントについて解説します。

リーガルチェックの費用相場と内容

リーガルチェックに必要な費用相場から確認をしていきます。どのような内容にいくらくらい費用が掛かるかが理解できるよう、リーガルチェックの実施内容もお伝えします。

リーガルチェックは3万円~案件ごとに相場がある

リーガルチェックを弁護士などへ依頼する際の費用相場は、地域や対応範囲、依頼先によっても異なるのが実情です。例えば都内の弁護士へ依頼する場合は、汎用的な相談であれば、3万円から5万円程度から依頼できる場合もあります。また、より個別の案件についての相談や難しい依頼内容については、5万円〜数十万円程度の費用が必要になることが一般的です。依頼前にはしっかりと弁護士の専門範囲などを確認のうえ、信頼できる人物を選定することが大切だと言えるでしょう。

リーガルチェックはビジネスに欠かせない業務

リーガルチェックとはビジネスにおいて取り交わす契約書などの書面について、主に法的な観点から問題はないかチェックを行なうことを言います。その際に契約の平等性や公序良俗に反した表記でないか、法律以外の規定との整合性のチェックも実施することで、トラブルを未然に防ぐ役割も担っているのです。

ビジネスシーンにおいての契約書などに関係するトラブルは、時として非常に大きい損害を負うものもあります。チェックを怠ったがために法律違反により文書が無効となったり、重要事項の記載漏れにより損害賠償請求を負うケースも少なくありません。これらのトラブルを未然に防ぐため、組織においてリーガルチェックの体制整備をしておくことは、非常に重要なタスクであると言えます。

基本的なリーガルチェックの5つの内容

リーガルチェックで実施すべき代表的な内容は5つあります。外部に費用を支払い作業をアウトソースする前に、まずは基本的な実施内容とその意味を把握しておきましょう。

①法令の確認と文章チェック

契約書などの該当文書が、法令・法律違反に抵触していないかチェックを実施します。提出する文書だけでなく、受領した場合にも同様の確認を行なうのが一般的です。独占禁止法や下請法に抵触している内容や、公序良俗に反している記載があればトラブルに繋がるため、法律・法令と社会的な観点でのチェックを実施します。

②実態に即しているかの確認

契約書などの書面が、実態に即した内容となっているかの確認も行います。具体的な確認としては、双方の状況や契約後のフローに無理はないか、また実現可能な内容であるかなど、契約がスムーズに締結できるものとなっているかについて確認します。

③関連文書との整合性をチェック

該当の文書に関連する書面の内容をチェックし、該当の文書との整合性がとれているかチェックも行ないます。関連した書面との矛盾や内容の相違がないようにし、トラブルを未然に防ぎます。

④不利益となる記載はないか

解約時の違約金や一方的な契約など、自社にとって不平等な取引となっていないかの確認も実施します。ビジネス・法律双方の視点からチェックを行うことも、リーガルチェックの大切な役割です。

⑤トラブルの想定はなされているか

契約途中での解約要件や、イレギュラー時の対応方法など、トラブル時の想定が記載されているかの確認を行ないます。

リーガルチェックの依頼先と特徴

ここからはリーガルチェックを依頼する場合の依頼先と、依頼先それぞれの特徴を整理していきます。

自社または弁護士での実施が一般的

リーガルチェックを依頼する場合は、自社の法務部か外部の弁護士へ依頼するかのどちらかが一般的です。弁護士へ依頼する際はもちろん費用が掛かりますが、とはいえリーガルチェックは一般の社員に任せることができないタスクです。社内の法務部門に任せる場合は経験のある人材の確保は必須となりますが、そのような人材確保が難しい場合は、費用を支払っても弁護士へ依頼する必要があるでしょう。

自社法務部門で実施する場合

自社の法務部門でリーガルチェックを実施する企業も少なくありません。自社内での文書チェック・修正が行なえるため、早いレスポンスで実施できることが最大のメリットです。同じ雛型の文書の使用が中心であれば、法務部門の能力によっては内製化も可能です。

しかし、多くの企業では法務部門では一次チェックを実施し、最終的なチェックは弁護士に任せることで安全性を担保しています。自社で内製する場合は、法律や法令の変更にも対応する必要があることを踏まえながら、外部と連携したチェックフローを構築する必要があると言えます。

弁護士へ依頼する場合

弁護士へリーガルチェックを依頼する場合は、費用は必要になりますが、専門性が高く幅広い案件に対応するチェックが受けられます。また、専門的な視点から客観性のある指摘を受けられますので、自社内では気づけなかった隠れたリスクやトラブルを未然に防げるメリットもあります。費用を比較検討しながら、信頼できる弁護士に依頼することができれば、ビジネスを後押ししてくれる存在となるでしょう。

リーガルチェックの費用を抑える方法とポイント

最後にリーガルチェックの費用を抑える方法と、効率的にチェックを実施するためのポイントを整理していきます。

リーガルチェックの費用を抑える4つのポイント

費用を抑えるポイントは下記の4つです。

①弁護士へ依頼する場合は充分な比較・検討をする

弁護士を選定する際は、地域や弁護士事務所の規模などによっても大きく費用が異なります。対応範囲やレスポンスの速さなども確認のうえ、できれば複数の弁護士を比較することがおすすめです。

②長期的な視野でも考えておく

今後予定されている法律の改正や社会状況の変化も加味して、リーガルチェックをどこへ依頼するのが良いか、先を見越して考えておくことも大切です。法務部門で先々も対応していくことが可能かどうか検証したり、弁護士へ長期契約の相談をするなど、長期的な視点でも考えておくことが結果的に費用を抑えることに繋がるでしょう。

③必要な部分のみを弁護士へ依頼する

先程ご紹介した事例のように、一次チェックを法務部門で実施し、最終チェックを弁護士へ依頼するなど、部分的な依頼をすることでも費用は抑えられます。社内法務部の業務負荷や人的コストとのバランスを見て、臨機応変に依頼することも良い方法です。

④業務支援サービスを検討する

業務のデジタル化推進をサポートする、リーガルチェック機能のある業務支援サービスの利用を検討するのも良いでしょう。経理や法務の業務以外にも、バックオフィスの業務負荷を軽減するDX化に繋がるサービスは、利用する企業も増加傾向にあります。ほかの業務コスト・人的コストを加味して、一度検討することも良策だといえるでしょう。

費用を抑えたうえで、正確なリーガルチェックを

費用はできるだけ抑えたいものですが、リーガルチェックはなにより正確性が大切です。先方へ提示した文書に不備があれば、契約書が無効になるだけでなく、大きなトラブルに繋がる可能性もあります。一方で正確で間違いのないリーガルチェックが実施できれば、ビジネスにおける積極性も格段に高くなるはずです。

そのため、必要な部分にはしっかりと費用を掛け、場合によっては法務部門と連携しながら弁護士や業務支援システムの活用を考えることが良策だといえます。費用を抑える観点と正確性や信頼性のバランスも考慮しながら、自社にあった最適な方法をみつける必要があるでしょう。

まとめ

リーガルチェックの費用を抑えるためには、自社でチェックが必要な書類の洗い出しを行ない、依頼した場合の費用概算をすることから始めることがおすすめです。複雑な案件が多ければ弁護士への依頼は必須ですし、簡単な内容ならシステムの導入で解決する場合もあります。そのためにまずは自社の状況把握から始めましょう。



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