契約書管理

契約書管理を脱エクセル!契約書管理システムについて解説

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目次


締結した契約書の管理は企業活動をするうえで、欠かさない業務のひとつです。企業規模を問わず契約書は作成されるため、契約書管理は全ての企業が適切に行わなくてはいけません。また契約書管理は、リスクマネジメント業務効率化の観点からも重要な業務といえるでしょう。

契約書管理の具体的な業務としては、取引に関する契約書および関連書類・情報、契約書の有効期限などを総合的に管理します。数百・数千枚におよぶ契約書を管理する方法としては「エクセルを使用した契約書管理」「契約書管理システムを使用した管理」の2つに分類されます。

エクセルを使用した契約書管理には、さまざまなデメリットがあり企業の契約書管理担当者の悩みのタネにもなっています。

この記事では、エクセルによる契約書管理に悩む契約書管理担当者の方々に向けて、エクセルと契約書管理システムを比較しながら解説をします。


契約書の管理方法とは?


契約書の管理方法には「所轄する部門・管理者の選定」「契約書の全体把握(棚卸し)」「契約書管理台帳作成」「契約書管理台帳への入力と契約書の保管」「契約書管理のルール作成」といった業務フローがあります。ここでは契約書の管理方法について、注意するポイントなど具体的に紹介します。


 1.所轄する部門・管理者の選定

最初に契約書管理を所轄する部門や管理者の選定をします。このとき契約書管理を所轄する部門と管理者の、業務権限や責任の範囲を明確にしましょう。明確化により契約書の一元管理が可能となり、情報管理の面からも責任の所在が把握しやすくなります。


.契約書の全体把握(棚卸し)

社内にある契約書の全体を把握して、管理すべき契約書を決めていきます。そのためには、各部署の契約書の種類や枚数の把握が必要になります。また各契約書の保管期間なども調査して、必要によっては保管期限を新たにルール化しましょう。

契約書の数が多く業務の効率を落とす可能性がある場合は、必要な契約書や有効な契約書の絞り込みなどをして、優先順位を決めると効率化できます。

また定期的に契約書の棚卸しをして、管理する契約書の仕分けや廃棄をしましょう。これにより、契約書を管理する手間の削減が可能となります。


 3.契約書管理台帳作成

管理する契約書は一覧管理ができるように、契約書管理台帳を作成します。ここでは、契約書管理台帳に記載しておきたい項目と記載要領を解説します。


 ・契約書タイトル
  契約書のタイトルを記載します。 

 ・契約書番号
  契約書番号の付与により、整理がしやすくなります。 

 ・契約書の種類
  契約書の種類(売買契約・ライセンス契約 等)を記載します。 

 ・会社名
  契約する会社名を記載します。 

 ・契約内容
  契約書内容の要約を記載します。 

 ・契約金額
  契約金額を記載します。 

 ・担当部署
  担当する部署名を記載します。 

 ・担当者
  契約担当者の名前を記載します。 

 ・契約書原本の郵送日(電子契約の送信日)
  契約書原本の郵送日や電子契約の送信日を記載します。 

 ・原契約
  「最初に締結した契約」=「原契約」を記載します。 

 ・契約開始日
  契約有効期間の開始日を記載します。 

 ・契約終了日
  契約有効期間の終了日を記載します。 

 ・機密保持条項など特定の条項の有無
  特定の条項(機密保持条項など)の有無を記載します。 

 ・自動更新の有無および更新日
  自動更新の有無と更新日を記載します。 

 ・保管期限
  契約書の保管期限を記載します。 

 ・契約解除通告期限
  自動更新契約の場合、解約時の通告期限を記載します。 

 ・有効・無効
  契約書が有効か無効であるかを記載します。 


これらの項目から、自社の業務に合った項目を用いて契約書管理台帳のテンプレートを作成していきます。


4.契約書管理台帳への入力と契約書の保管

テンプレートを作成した契約書管理台帳に、項目ごとに情報を手作業で入力をしていきます。

また契約書の保管作業も行います。契約書は整理番号に沿って、キャビネットなどに保管しましょう。契約書をデータ化して保管する場合は、スキャン作業後にファイルサーバーに保管します。ファイルサーバーに保管する際には、契約書ファイル名を整理しやすいようにルール化するとよいでしょう。

契約書管理台帳には、新しく契約した契約書が追加・更新されます。そのため追加・更新の都度、契約書を保管する作業が必要になります。情報が追加される場合もあるため、常に整理された状態にしましょう。


5.契約書管理のルール作成

契約書管理の方法をルール化して、関係者に周知徹底をします。契約書管理のルール作成をしないと、情報管理・作業効率・リスク管理の観点から好ましくない状況に陥る可能性があります。


契約書のエクセル管理の問題点


契約書のエクセル管理には、いくつかの問題点があります。ここでは、契約書のエクセル管理における代表的な4つの問題点について解説していきます。


  • 契約更新や期限の管理における問題点

エクセル単体では、ダッシュボードでの自動表示やアラート通知の機能ができないため、契約更新や期限の管理がやりにくい問題点があります。

契約更新や期限の管理をするためには、検索をして目視で確認をする必要があります。そのため契約更新や期限の通知の確実性は下がります。契約更新の作業が煩雑になりがちになるため、ヒューマンエラーのリスクもあります。


  • セキュリティ対策における問題点

エクセルでの契約書管理は、セキュリティの面からも問題点があります。データ共有のしやすさとセキュリティを両立することが、契約書管理では重要になります。

社内の重要機密として扱われる契約書を管理するには、複数のメンバーでデータの共有が必須です。また最高機密データであるため、高度なセキュリティ対策が要求されます。

エクセルの場合、パスワードなどでセキュリティ対策ができますが、一方で複数人でのデータ共有が難しくなります。また、データ共有を優先してしまうと、改ざん情報漏洩のリスクが高まることも問題です。

エクセルは、契約書管理で求められるデータ共有のしやすさとセキュリティ対策の両立が難しい問題点があります。


  • 一元管理がやりにくい問題点

エクセルの契約書管理台帳は、一元管理がやりにくい問題点があります。エクセルの契約書管理台帳は機能的に、契約書本体と関連情報(契約書タイトル・契約書番号・契約開始日・保管期限など)を紐づけて一元管理ができません。契約書本体を閲覧するためには、キャビネットやファイルサーバーなど保管場所にアクセスする手間がかかります。

契約書管理の業務では、一元的に契約書と関連情報が見やすいことが重要です。一元管理ができないと管理やチェックの漏れが生じるリスクが高まります。エクセルの一元管理がやりにくい問題点は、契約書管理における十分な体制の構築の障害になる可能性があります。


  • 入力の手間がかかる問題点

エクセルによる契約書管理の場合、基本的にデータは手入力になります。手入力は手間と時間がかかるうえに、抜け漏れや不正確な情報入力などのヒューマンエラーのリスクが高まる問題点があります。

また契約書の電子化のケースでは、契約書のファイル名の設定やファイルサーバーの整理保管などの手間が必要です。

契約書の枚数が膨大な場合は、手入力作業の工数が比例して多くなります。手入力作業を外注するケースでも、外注コストが大きくなります。

手入力作業量によっては、外注費が契約書管理システムを導入するコストよりも高額になる場合もあります。またルールの見直しや改訂を定期的に行うことにより、契約書管理の改善に務めることも重要です。

作成したルールは、文章・マニュアル化をして関係者全員に伝える必要があります。研修や説明会を開いて、関係者全員に周知徹底しましょう。


契約書管理システムとは?


契約書管理システムとは、契約書をクラウドで一元管理して契約書管理を支援するツールです。クラウドに契約書をアップロードすることにより、契約書・契約書管理台帳および関連情報を紐づけて一元管理が可能になります。

また契約書管理システムには、契約書管理台帳の自動入力機能や更新期限のアラート機能などを備えているものもあります。もちろんセキュリティ対策も備えており、エクセルの契約書管理における問題点の解消が可能です。

そのため、契約書管理には契約書管理システムの導入がおすすめです


契約書管理システムのメリット

契約書管理システムには、エクセルと比較して主に以下のようなメリットがあります。ここでは、これら4つのメリットについて解説をします。


  • 契約更新・期限の管理

契約書管理システムののメリットとして、契約更新・期限の管理がしやすい特徴があります。契約更新・期限のタイミングで自動で通知機能がある契約書管理システムなら、期限切れなどの回避が可能です。これらの機能は、エクセルでは難しい仕組みになります。

クラウド型の契約書管理システム「Pro-Sign」なら、契約期限を迎える前にアラートを出すことが可能です。また任意の期間でアラートを出す設定もできます。契約書更新のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。


  • セキュリティ対策とデータ共有のしやすさ

契約書管理システムのメリットには、セキュリティ対策とデータ共有のしやすさがあります。エクセルが苦手とするセキュリティ対策とデータ共有のしやすさも、契約書管理システムならば容易です。

クラウド型契約書管理システムであれば、インターネットがつながる場所であればどこでも情報にアクセスできます。また契約書と関連情報の共有も容易にできます。またアクセス権限の設定も可能なため、不正アクセスを防ぐことも可能です。

Pro-Signは、閲覧・アクセス権限の設定が柔軟に権限設定できます。また高度なセキュリティ対策を備えており、高度な情報セキュリティマネジメントシステム「ISO27017」と適切な個人情報保護の体制を示す「プライバシーマーク」を取得しています。


  • 一元管理ができる

エクセルの契約書管理では、クセルシートと契約書が別々に保管されます。契約書管理システムでは、契約書・関連情報などをダッシュボード上で一元管理が可能です。そのため契約書管理業務の大幅な効率化ができます。この一元管理はエクセルと比較すると、大きなメリットになります。


  • 管理台帳入力の効率化

契約書管理システムに自動入力機能がある場合は、契約書管理台帳への入力作業の手間が大幅に削減可能です。自動入力機能とは、クラウドにアップロードした契約書画像をシステムが自動的に文字認識して、契約書管理台帳に自動入力する機能です。手入力ミスによるリスクを減らすメリットがあります。


まとめ


ここまで解説したように、契約書管理はエクセルでも可能です。しかしエクセルでの契約書管理は「一元管理ができない」「セキュリティ対策の問題」「入力の手間がかかる」などの問題点があります。これらのデメリットにより、期待した費用対効果が得られない可能性があります。最適な契約書管理をするためには、契約書管理システムの導入をおすすめします。 この機会に契約書管理システムの導入をご検討ください。