契約書管理

契約書管理にはどんな方法があるの?効率化のポイントまで詳しく解説

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企業活動をする上で、必ずある業務として契約書の締結があります。事業年数が経ったり、事業規模が拡大すると管理する契約書の量が増加していきます。契約の締結後も契約期間の確認トラブル対応などで、契約書を参照する機会はあることでしょう。その際に、契約書を効率的に早く参照できるように管理することが重要です。この記事では、契約書の管理方法の効率化について解説していきます。 

 

 


契約書の管理方法 


契約書の管理方法にはいくつかあります。基本的には「集中管理」「分散管理」かの2つに分類されます。 

  


集中管理のモデル 


1. 本社の文書管理部門 


契約書の管理方法の最もスタンダードなモデルは、本社の文書管理部門での集中管理です。契約書の確認、押印対応、税務対応などの業務関係から、総務・財務・法務のいずれかの部門で管理するケースが多いです。 

  

一か所で集中管理をするため、契約書原本へ素早くアクセスできるメリットがあります。 

しかし、本社にすべての契約書を保管するため、保管スペースが必要になります。事業規模や契約締結の件数が一定以上になると、保管スペースが大きくなり保管コストの増加がデメリットです。 

  


2. シェアードサービス部門 


複数のグループ会社がある企業などが、シェアードサービス部門で契約書管理をするモデルもあります。シェアードサービス部門は、複数のグループ会社を保有する企業が効率化のために、事務などの業務を一か所にまとめた部門のことです。 

  


3. 外部倉庫 


都市部に本社やシェアードサービス部門がある場合、契約書の保管スペースのコストが高くなってしまいます。そのため、外部倉庫を契約書の保管スペースとして利用するモデルもあります。企業によっては、倉庫に保管だけでなく、契約書の有効期限管理などの業務を外部委託することもあります。 

  

デメリットは、契約書原本へのアクセススピードが落ちることです。 

  


分散管理 


契約書管理を各部署で事業所ごとに、分散管理するモデルもあります。契約書締結の権限が部門に委託されている企業では、分散管理になるケースが多くなります。 

  

分散管理の場合は、各部門に契約書管理担当を設ける必要があります。そのため、契約書管理が契約書管理担当の処理能力に依存することになります。 

 

 


契約書管理上の注意点 


契約書を管理する上で、注意するポイントは以下のようなものがあります。ここでは、契約書管理上の注意点を紹介します。 

  


1. 契約書原本に穴をあけたり、製本をほどかない 


契約書原本は、傷つけないように保管することが基本です。それは以下のような理由があります。 

  

・印影の確認ができなくなったり、文字が欠損するなどで内容の解釈に影響を及ぼすリスクがある。 

改ざんを疑われるリスクがある。 

  

これらのリスクを回避するためにも、契約書原本は丁寧に扱いましょう。 

  


2. 契約書の保管場所の安全性を確保する 


契約書の保管は、施錠可能なキャビネットに保管することが一般的です。しかし、それだけでは安全性が確保されたとはいえません。 

  

地震、火災、水害などの災害リスクや悪意ある侵入者による盗難などのリスクが考えられます。 

  

これらのリスクを事前に検討して、対策をすることが重要です。 

  


3. 五十音(アルファベット)順または契約締結順に、契約書を綴る 


契約書原本は、契約相手の企業名を五十音(アルファベット)順もしくは契約締結順のどちらかに綴るようにしましょう。 

  

五十音(アルファベット)順のメリットは、企業名の単位で契約書がまとまるため、締結後に契約書を確認したい場合に見つけやすいことです。 

  

契約締結順のメリットは、契約書管理担当者が契約書を受け取った順で綴るだけなので、契約書管理担当者の負担が軽くなることです。しかし、契約書の検索性が落ちるため、契約書管理台帳を作成するなどの対処が必要になります。 

  


4. スキャナ保存と原本廃棄の可否 


契約書の保管や管理を効率化するために、契約書をスキャナ保存して、電子データで管理する方法もあります。 

この場合、契約書原本をすべてスキャナ保存してしまえば契約書原本を見る必要はなくなると思うことでしょう。そのため、契約書原本の破棄を考える方も多くいると考えられます。 

  

紙媒体の契約書原本をスキャナ保存して廃棄をする場合は、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があることに注意が必要です。また裁判において、契約書原本が無いことで裁判が不利に働くリスクもあります。 

  

参照:国税庁 電子帳簿保存法が改正されました(令和3年5月) 

 

 


契約書管理の効率化のためにできること 


契約書管理の効率化のためにできる方法は、以下のような管理方法があります。 

  


1. 契約書のスキャナ保存による管理 


契約書が保管されたキャビネットから契約書を探したり、契約書原本をコピーするなどの業務は時間がかかり手間になります。そのため、契約締結後に契約書原本をスキャナ保存し、全社共通のプラットフォーム上でPDFファイルとして、一元管理する方法もあります。この場合は、必要な人がいつでも参照可能なことが望ましいです。 

  

このケースでは、以下の要求を満たせるかが重要になります。 

  

・管理方法が完全に移行するまで、紙の契約書と電子データが併存するため、両方を保存する必要がある。 

・電子データの検索性を高めるために、契約情報を付加できるか。 

・契約書データへのアクセス権が適切に設定可能であるか。 

  

これらに加えて、上述した契約書原本の破棄の問題も出てきます。 

  


2. 契約書管理にエクセルを使う 


エクセルを使って、低コストに契約書台帳を作成して、契約書管理をする企業は多くあります。しかし、エクセルによる契約書管理には、以下のメリット・デメリットがあります。 

  

メリット:低コストで契約書管理に導入できる 

エクセルは、企業で使用されるパソコンにインストールされているケースが多いです。そのため、低コストで契約書管理台帳を作成し導入できます。またエクセルを使える人材は多くいるため、社員教育などの手間とコストも削減できます。その結果、契約書管理に関する教育・研修コストも抑えることが可能です。 

  

デメリット:管理コストが重い 

エクセルで作成した契約書管理台帳は、契約書期限や自動更新の有無などの項目を手入力で加える必要があります。それに加え、契約書管理台帳の定期的な確認も人力で必要になります。そのため、人件費などの管理コストが重くなることがデメリットです。 

  


3. 契約書管理システムによる契約書管理 


契約書管理を効率化するには、契約書管理システムを導入することがベストな方法です。 

  

契約書管理システムには、契約書のアップロードによるデータベースの自動生成機能検索機能契約書更新期限のアラート機能アクセス権限の付与機能などの便利な機能があります。契約書管理システムは、契約書管理業務の効率化リスクマネジメントに強いことが魅力です。 

  

エクセルでの契約書管理のように、何人もの人が手入力でデータ入力しているケースと比較すると、人件費などのコストを大幅に削減可能です。一部の作業を自動で行う契約書管理システムのほうが、エクセル管理よりも安価に導入・運用できる可能性があります 

 

 


まとめ 


この記事では契約書の管理方法には、いくつかの方法があることを解説しました。また契約書管理を効率化するには、さまざまな注意点があります。効率化のための、契約書のスキャナ保存やエクセル管理は多くの手間やリスクがあることもお伝えしましたが、これらの問題を解決するには、クラウド型の契約書管理システムの導入をおすすめします。ぜひ一度ご検討ください。