電帳法

改正電帳法への対応で困ったこと、専門家に聞いてみた。Vol.02

アイキャッチ画像
目次



本記事では、改正電帳法に関して税理士監修のもと、「確かにそれってどうなってるの?」と思ってしまうような質問にわかりやすくお答えします。今回はVol.01に引き続き、電帳法の対象書類に関する保存方法について、わかりやすく解説します。

全3シリーズであらゆるケースに応じた質問にお答えするので、改正電帳法の応用部分について理解を深めることができます。

パスワード付きの書類への対応は?

企業間で書類等をメールで授受するときは、パスワードを付すことが多いです。このパスワード付きの書類についての改正電帳法への対応方法を解説します。

Q. 電子取引にて、取引先からパスワードのついた請求書を受領した場合、パスワードを外して保存した請求書は正式な請求書データとしてみなされますか?


授受した電磁的記録そのものを保存することが理想ですが、保存する上で不適当もしくは保存が困難なファイル形式の場合は、合理的な方法による編集が認められています

なお、タイムスタンプが付されたものについては、上記の作業を行うとハッシュ値が変更されるため別の手段での保存が必要になります。また、パスワード制限のついたPDFファイルを、印刷機能を利用してPDFにしたことにより取引情報が失われないのであれば、パスワード解除後のPDFファイルでの保存も認められます。

参考:2021年11月 国税庁「お問合せの多いご質問」Ⅲ【電子取引関係】電取追2及び3

データ量が膨大な場合の対応は?

膨大な保存対象データの保有や多店舗展開を理由に複数箇所で保存していて、それらが改正電帳法に反していないか不安になることがあると思います。これらについて例を用いて解説します。

Q. 保存対象となるデータ量が膨大で複数の媒体に保存しています。そのため一課税期間を通じて検索できませんが、問題ありますか?


保存されているデータは、原則として一課税期間を通じて検索できなければならないため、特別な事情がない限り認められません。ただし、半期ごとに帳簿を作成しているなど、合理的な理由がある場合はその期間ごとに検索できれば問題ありません。

参考:2021年12月 国税庁「電子帳簿保存法一問一答」【電子取引関係】問17

Q. 複数の支店や拠点で事業展開している場合、それぞれの支店・拠点で電子データの保管をしていますが、これは検索要件を満たしていますか?


それぞれの支店・拠点での情報量が多いなど合理的な理由がある場合は、それぞれの支店・拠点単位でのExcelファイルでの検索簿でも問題ありません

書類を修正したいときは?

書類データの期限が切れていたり、受領した書類の内容が誤っていたりと、書類に何かしらの不備があった場合の改正電帳法への対応において、どのように対応すべきか迷うことがあると思います。これらについて例を用いてご説明します。

Q. 電子データで受領していた見積書の期限が切れた後に発注することになったため、再度見積書を提示してもらったが、その場合は上書きして新しい見積書だけを保存すればよいですか?


取引に関して授受を行った書類に該当するため、期限切れの見積書についても保存が必要です。

Q. 受領した納品書の電子データが間違っていましたが、修正していません。こちらはそのままでも問題ありませんか?


間違っている内容が重要(取引日、取引内容、金額等)なものであれば、修正版の送付を依頼し当初のものと修正版の両方を保存してください。間違っている内容が軽微なものであれば、修正していないものであっても問題ありません。修正版の保存が必要な金額が誤っているケースとしては、桁数の誤りや、明細と合計の金額不一致などが想定されます。

印紙ありの書類はスキャナ保存できるの?

電帳法の改正後から、スキャナ保存した書類の原本は破棄して問題なくなります。これについて、対応方法に困ると想定されるケースについて解説します。

Q. スキャナ保存で電子保存後、原本は破棄して問題ないと考えていますが、印紙が貼ってある領収書や請求書などでも電子データがあれば原本の保存は不要ですか?


印紙貼付の有無はスキャナ保存の要件とはなっていないため、印紙が貼付された領収書・契約書等であってもスキャナ保存することは可能です。なお、原本を破棄した場合は、印紙税の過誤納申請ができないこと及び民事訴訟法ではスキャナ保存データは原本とはならないことに留意が必要です。

まとめ

今回は、改正電帳法に関して実例を用いて質問にわかりやすく解説しました。ここではご紹介していないQ&Aに関してもご覧になりたい方は、以下から「改正電帳法Q&Aのお役立ち集をぜひダウンロードください。


次回のVol.03では、改正電帳法にかかる押印や罰則、対象範囲について書いていきますので、ぜひご一読ください。